ルモンド紙より、今日はシャーロック・ホームズについて。作者ドイルは聖書から多分に影響を受けたとするバチカン関係者の新説が発表されたとのこと。先日ご紹介したアルカイダの話しといい今日のホームズの話といい、誰もが「本家はうちだ」と我田引水したくなるもののようです。笑えます。
Sherlock Homes : polar ou Evangiles ? (2002.11.13)
シャーロック・ホームズ:推理小説なのか福音書なのか?
著者のコナン・ドイルはキリスト教とは対立してはいたものの、さるバチカンの学者によれば、シャーロック・ホームズが活躍する小説は部分的にテーマと筋書きにおいて聖書を下敷きにしたものであるとのことである。ロンドンのタイムズ紙のインタビューを受け、ローマ教皇大学の哲学の教授であるマリオ・パルマロは、ドイルは、意識的にまた無意識的に、幼いときに受けたイエズス会の教育により影響されていたと断言する。
でもドイルは1859年に生まれ、1876年にエジンバラ大学の医学部に在籍中にカトリックを放棄している。しかしマリオ・パルマロは「ドイルは最後までカトリックと格闘し続けていた」とする。かれは、その著書『超自然、ワトソン君:シャーロック・ホームズと神の事件』で「福音書には良い推理小説を構成するすべての要素、たとえば死体、人殺し、死体の奇跡的な消滅などの要素が含まれている」と断言するのだ。
もっと具体的に言えば「疑いなく、バスカーヴィル家の犬は悪魔の力を代表するもの」であり、「小説に度々出てくるグリペン・ミールという名前はアングロサクソン語で悪魔という言葉から由来したものである」とのこと。
しかし、シャーロック・ホームズ博物館長のオノーレ・リリー氏によれば、ドイルが聖書に影響されたという話はドイルが信仰を捨てた以上あり得ないのではないかという。しかしバチカンの学者は続ける。「ギリシャ語通訳」の中でホームズが兄のマイクロフトとする会話は、ヨハネ伝の中でのキリストとニコデムスの問答形式と非常に似ていると。「問答リズムが酷似している」とバチカン学者は言う。
さらに推理小説の結末でホームズが遂に真理を理解するという締めくくりも、マリオ・パルマロによれば「聖女マリ・マドレーヌの直感とひらめき」と同じであるという。というものの、ホームズの伝記作家やホームズ専門家の間では、(この新説は)まだまだ疑わしいとされている。ドイルが福音書を説教してたんですって? そんな初歩的な事じゃないんじゃないかしら。
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